令和7年度四国ブロック「スキルアップ研修」実施報告

<開催日時> 1日目:令和7年11月1日(土) 10:00~17:00

       2日目:令和7年11月2日(日)  9:00~16:30

<開催会場> 高松商工会議所会館 5階501会議室

<講  師>(講義順)

・中小企業診断士として自立するためのあり方とビジネスモデルの組み立て方 小島 仁(香川県協会副会長)

・中小企業診断士の独立ロードマップ 窪田 司(香川県協会会員)

・“はじめての民民契約”受注に必要な提案プロセス 石村 飛鷹(香川県協会会員)

・今更ながら…中小企業診断士の「お仕事」って何?  岩本 大輔(香川県協会理事)

<研修内容>

 「経営コンサルタントとして、自立する(稼ぐ)ための基本的な心構えと勘所を本気で学ぶ!」をテーマに、独立検討中の診断士、アーリーステージの診断士、基礎から学び直したいと決意した診断士等、合計25名の方々にご参加いただきました。

(1日目参加:24名、2日目参加:25名、両日参加:24名)

1日目の冒頭に、日本中小企業診断士協会連合会松枝会長よりご挨拶をいただき、その後事務局より受講時の注意点等の説明があり研修が開始されました。

その後、最初の講義として小島副会長より「中小企業診断士として自立するためのあり方とビジネスモデルの組み立て方」というテーマで講義していただきました。ご自身の成長プロセスを「守・破・離」の各段階でどのように突破されたか具体的にご説明いただきました。「マインドセット・覚悟」→「直接経験(量が質を高める)」→「受注力」の3つの成功法則に基づき、いかにご自身が悩み考え行動されたかを熱くかたっていただき、受講者は驚きと刺激をうけました。

 

  1日目午後は、引き続き小島副会長を講師に、「実践編リアルコンサルティング」と題し香川県内で実際に事業を行われている4つの事業者に対し、経営相談会を実施しました。4グループごとに各事業者の現状・問題点をヒアリングし、グループ討議の中で課題・解決策を立案し提案しました。限られた時間の中、初対面の事業者への提案を行うことで現場対応力視点の多様性リーダーシップの難しさを認識し、現実の企業支援の困難さを学びました。最後には、経営者からコンサルティング評価のフィードバックがあり、厳しい意見もいただいております。

2日目午前は、窪田会員より「中小企業診断士の独立ロードマップ」というテーマで、「直接期3,000万円」を目指す中企業診断士をメインターゲットとした、上位5%のビジネスモデルの全体像と各論について講義していただきました。具体的には、中小企業診断士ビジネスの正のサイクルや設計図、特徴についてご説明いただき、中小企業診断士ビジネスの解像度を上げることや、「行動」と「数値」を強化することの重要性についてお話しいただきました。実際のご経験からの講義はわかりやすく、刺激的で「部分的かつ単眼的に捉えるのでではなく、全体的かつ複眼的に捉える」「再現性の低い要素を学ぶのではなく、再現性の高い構造をつくる」ことが、中小企業診断士ビジネスの成功ポイントであると受講者に伝わりました。

  

2日目午後は、独立開業事例として石村会員と岩本理事よりそれぞれお話しいただきました。

 石村会員からは、「“はじめての民民契約”受注に必要な提案プロセス」というテーマでお話しいただきました。本講義では、石村理事の独立を決意するまでの不安や、独立前の準備期間の過ごし方、先輩診断士からのアドバイスを頂いた経験を語っていただきました。その後、受注構造の組み立て方、民民契約の受注確度を上げるために必要な事柄についてお話しいただきました。ご自身のご苦労されたお話や失敗談・受注に成功したときの喜び、メンターとしての小島副会長との関わり方等、受講者は興味深く聞き入っていました。

続いて岩本理事より「今更ながら…中小企業診断士の「お仕事」って何?」というテーマでお話しいただきました。岩本理事は、民間企業に勤務後、2006年学習塾の経営者として独立されました。その後、2016年に中小企業診断士の資格を取得し経営コンサルタント事務所を開業されています。ご自身の事業経験を踏まえ、様々なトラブルをいかにしして乗り越えたか、これからの事業展開をどのように行うのか、そして、理事として香川県協会とどのように関わっていかれるのかについて、熱く語っていただきました。

 

<受講者の感想>

受講者のアンケート結果によると、受講者25名全員が「大変役立つ」と回答しており、受講者にとって非常に満足度の高い有意義なセミナーであったと考えられます。また、1日目の夜には、受講者25名に加えて講師、経営相談会にご出席していただいた5名の経営者も参加し、懇親会を開催しました。懇親会では、講義中に疑問に思った内容や質問できなかった事項について、さらに深く意見交換が行われました。また、研修中には十分対応できなかった経営相談について更に深まった討議が行われました。懇親会は、受講者のモチベーションアップの機会になるとともに、受講者同士の関係構築の効果もあり、受講者の満足度向上に大いに寄与したと思われます。

今回も多数の方にお申し込みをいただいため、今回のセミナーにご参加いただけない方が生じることとなりました。この状況を受けて、第2弾となるセミナーを2026年1月に開催することでご了承いただいております。今回と同様、受講者の皆様に満足いただけるセミナーとなるよう、香川県協会として準備を進めてまいります。

以上

報告者:香川県中小企業診断士協会 岩倉正敏

一覧に戻る